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横山 賢治; 沼田 一幸*
JNC TN9400 2000-036, 138 Pages, 2000/03
高速炉の設計精度の向上を目指して、核燃料サイクル開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)ではこれまでにJUPITER実験解析の結果を反映した統合炉定数を作成し、大型炉心の核設計精度の大幅な向上を達成する見通しを得た。現在、核燃料サイクル開発機構では、引き続き、更なる精度向上と信頼性の確保を目指して、最新の研究成果を反映し、JUPITER実験以外の積分データの整備を進めている。本報告書では、高速実験炉「常陽」の積分データ整備の一環として、「常陽」MK-I炉心で測定された性能試験データや運転データに対してC/E値の評価及び感度解析を行った。解析対象とした核特性は、臨界性(最小臨界炉心)、Naボイド反応度、燃料・ブランケット置換反応度、燃焼係数である。JUPITER標準解析手法に基づくC/E値評価を行った結果、臨界性、燃料・ブランケット置換反応度については、解析値と測定値は良い一致を示すことを確認した。一方で、Naボイド反応度については、解析値が過大評価傾向であることが分かった。また、燃焼係数については、各運転サイクル間でC/E値のばらつきが大きくなった。今後、測定誤差の観点から詳細な検討が必要であるが、統合炉定数のための積分データとして利用できる見通しを得た。更に、臨界性、Naボイド反応度、燃料・ブランケット置換反応度に関して感度解析を行い、「JUPITER実験のZPPR-9炉心の感度係数と比較し、「常陽」MK-I炉心の特徴を感度係数の面から明らかにした。
花木 洋*; 沢田 周作*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 93-009, 334 Pages, 1993/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、ベイズの条件付確率推定法を基礎とする炉定数調整を実施することにより、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし大型炉の炉心設計において、反応率分布、制御棒価値等の核特性のみならず、燃焼反応度損失、増殖比といった燃焼特性の精度良い評価も重要である。そこで本研究では、「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、燃焼核特性の設計予測精度を向上させることを目的として、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、「常陽」燃焼データを用いた炉定数調整を実施して、燃焼核特性設計精度向上に対する効果を評価した。その成果は次の通りである。 1)FBR実機の燃焼特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備し、直接計算との比較によりシステムの妥当性を確認した。 2)燃焼特性を炉定数調整に適用しても、従来の核特性の設計精度にそれほど影響を与えることなく、燃焼核特性の設計精度を向上させることができることが明らかになった。
杉野 和輝; 沼田 一幸*; 大木 繁夫
no journal, ,
本研究で設計した高次化Pu燃料炉心の出力分布や反応度係数等の核設計精度及び高次Puの燃焼に係る不確かさの評価を行う。また、断面積調整法を活用し、本研究で解析・評価を行った高次Pu炉物理実験・試験データを追加することにより、核設計精度と高次Pu燃焼に係る不確かさ評価の改善を図る。